第24回 VIVEトラッカーを使わない!新デバイス「KATloco」のセッティング解説~VRChat内の仕様感想レポート付き~
非VIVE勢待望のフルトラッキングアイテム!果たしてその性能は!?
第15回でも一度「VIVE以外のHMDでフルトラッキングを行う」ことを話題に取り上げました。
あれから約一年半、ついにVIVEトラッカー以外のアイテムで腰、足を動かすことのできるデバイスが発売されました!
なんとこちらはSteamVRに対応しているHMDならば全対応!
今回はVRChat内で使うためのセッティングを解説していきましょう。
第24回はこんな流れで進めていきますよ
まずは公式サイトにアクセスして専用のソフトをダウンロードしましょう。
ダウンロードはSupportのページを少し下にスクロールしたところにあります。
ダウンロードしたexeファイルを起動すると警告が表示される場合がありますが実行してください。
実行するとインストーラーが起動するので案内に従ってインストールを進めましょう。
インストール先にこだわりがなければデフォルトの設定で大丈夫です。
ここから先は購入した付属品が全て揃っていることを前提として解説を進めます、不足しているものがあれば公式に問い合わせましょう。
インストールを完了するとソフトが自動で起動します。
画面ガイドに合わせて受信機をUSBに接続しましょう。
チェックマークがついたらOK、次へをクリックして先に進みます。
次に腰トラッキングを行うウエストセンサーをUSBケーブルで接続します。
この時USBケーブルはデータ通信が可能なものを使用しましょう、手元になくても付属品のケーブル(白端子のもの)で代用可能です。
チェックマークがついたらOK、次へをクリックして先に進みます。
次は両足のトラッキングを行うセンサーを接続します。
USBケーブルを複数本持っていれば同時につなぐことも可能ですが一つずつ接続することをお勧めします。
まず一つ接続し、チェックマークがついたら一度USBケーブルを抜いてもう一つのセンサーを接続します。
両方チェックマークがついたらUSBケーブルからセンサーを抜いて次へをクリック。
以上でセンサーのペアリングは完了です。
起動時初回のみ自動で初期設定画面が表示されます。今から実行をクリックして設定を進めていきましょう。
最初に腰用のセンサー中央のボタンを押します。
腰用のセンサーがどれかわからなくなったときはセンサーのLEDを確認しましょう、LEDが一つだけのものが腰用です。
センサー裏側のクリップを使ってセンサーを直立させます。
画面内の白丸を右枠中央の点に収まるように調整しましょう。
センサーの位置調整が完了したら画面が次の設定に移行します。
直立させたセンサーをゆっくり定速で回転させます。
上手くいかない場合は何度でも調整できるので焦らなくても大丈夫です。
センサーが回転を認識できたら初期設定は完了です。
初期設定が完了したら右側のSystemからUIを日本語表記に変更しましょう。
LanguageをEnglishから日本語に変更しておきましょう。
それともう一つ、右下のデバイスマネージャーから各センサーのファームウェアが最新か確認しておきましょう。
アップデート方法はUSBケーブルで接続するだけ…なのですが右足、左足のセンサーを間違えると悲惨なことになります。
センサーのLEDにはL,Rの表記があるので忘れず確認してからアップデートしましょう。
各センサーのアップデートが終わったら移動モードをクリックします。
デフォルトだとinSteamが指定されていますがMoCapに変更します。
ここで身体測定タイムです。実際に腰、両太ももにセンサーを取り付けて床からセンサーの距離を測りましょう。
今表示されている数値はデフォルトのもので筆者のものではないのでご了承ください。
身体測定が終わったらSteamVRを起動しましょう。
センサーが3つ追加されているはずです、ここで追加されていない場合はKATlocoのソフトの再起動を試しましょう。
SteamVR上でセンサーが認識されている状態で左上のメニューからデバイス→VIVEトラッカーを管理を開きます。
設定画面が開かれるのでVIVEトラッカーの管理を開きます。
トラッカーの役割をハンドヘルドからそれぞれ腰、右足、左足に変更します。
画像のように設定を変更したら閉じるをクリックし設定を完了させましょう。
その後にSteamVRを再起動することで設定が反映されます。
後はVRChatを起動してキャリブレーションを行います。フルトラッキングの世界へようこそ!
さて、ここからは筆者が感じたKATlocoフルトラッキングのVRChat内の仕様についての感想です。
身体測定された時点で勘の良い方ならお気づきかと思いますがKATlocoではつま先の情報を取得することができません。
太ももが上がることに追従して足も上がりますが必ず膝を曲げた状態になります。
ハイキック、Y字立ちを現実でポージングしてもVRChat内には反映されない、ということでやや没入感から離れてしまうかもしれません。
数値設定を変更して足先にセンサーを配置できないか試してみましたがうまくできず…腰センサーを起点としているためか腰ごと足先に移動してしまいます。
つま先の情報がないと現実では棒立ち状態でもVR内では地に足のついた、というよりは数㎝宙に浮いているような挙動になります。これは腰の僅かな動きに反応しているからですね。
上記の問題は足の短い低頭身のアバターであればほぼ無視できる程度に抑えることができます。
しかし足先の情報がないことにより横に寝転がることはスムーズにできました。
トラッキングが比較的近い位置にあるおかげか「片足が吹っ飛んで奇妙なポーズになる」といったことも起きにくかったです。
立っている状態でもふわふわ浮いているような挙動になる、とも書きましたが椅子に座った状態であればほぼ完璧に現実と同じポージングを取ることができました!
しかし残念ながら足を組むようなセンサーの左右が重なる挙動は安定しませんでした。
腰をねじるような動きをしても足が若干追従してきます。
以上のようなことからVIVEトラッカーと比較すると
必要な予算
VIVEトラッカー(ベースステーション込み)>KATloco
装着時の軽さ、サイズ感
KATloco>VIVEトラッカー
没入感の高さ
VIVEトラッカー>KATloco
対応HMDの多さ
KATloco>VIVEトラッカー
以上のようになりました。精密なトラッキングに関してはハイエンドモデルのHTC VIVEに特化したトラッカーの方に軍配が上がります。
しかし低価格、かつ多種多様なHMDに対応している汎用性の高さはKATlocoの方が優秀です。
総括すると
「KATlocoは今後HTC VIVE系統の購入予定がなく、かつ低価格でフルトラッキングを体験してみたい人」
におすすめしたいデバイスとなります。ここで注意して欲しいのは「KATlocoのフルトラッキングは現実側をVR側の動きに合わせてあげることを意識して欲しい」ということです。
残念ながら前述したようなハイキックやダンスを踊るような動的な動きにはKATlocoは適していません。
しかし椅子に座ってのんびりおしゃべりする、横になって星空を眺めるというような静的な動きには適しています。
自分自身がVRChatへどのような目的でプレイしているかで評価が分かれるデバイスだと感じました。
筆者は準備の手軽さから平日ログインするときはKATloco、がっつり楽しみたい休日はVIVEトラッカーと使い分けて利用していきたいと思います。